何度でも君を好きになる



「私、先生呼んでくるから」

そういって、お母さんはどこかに行ってしまった。


私は殺風景な部屋を見ながら、何でこんなところにいるのかが分からなくてひとりで考えていた。


しばらくしてから、お母さんと白衣を着た人が走ってきて、私の体温を測ったり心臓の音を聞いたりしていた。


「体温や心臓に異常はありませんが、明日精密検査をしますので安静にしていて下さい」


そう淡々と述べると、先生は私を見た。


私はずっと考えていた事を、先生に聞いてみた。


「先生…。何で、私はここにいるの?」


「あなた、本当に覚えてないの?」


「うん…」


「まあまあ、お母さん。きっと事故による一時的な記憶喪失だと思います」


「事故?私、事故にあったんですか?」


「ええ。本当に覚えていないのね」


「葵さんは、横断歩道を渡ろうとしたときに信号無視をした車にひかれたんです」


「そうだったんですか…」


身に覚えがなくて、すごく他人事のように聞こえてしまった。