葵の病室の前まで来て、俺はドアをノックした。
すると、中から女の人の声が聞こえた。
「はーい」
「あの、功太ですけど…」
「どうぞー」
俺は、坂下と一緒に病室に入った。
「おばさん…。来ました。葵は大丈夫ですか?」
「それがね、まだ目を覚まさないのよ。せっかく結衣ちゃんが来てくれたのに…」
「そうですか…。」
坂下が葵のもとに歩み寄り、膝ま付いた。
「葵…。お願いだから…早く目を覚まして。葵…」
声を聞いただけで、坂下が葵の事を本当に思っている事が分かる。
「葵…。」
俺も、無意識のうちに声が漏れていた。
それくらい、葵の姿は痛々しかったから。
それからしばらく時間がたち、俺達は病室を後にした。

