「もっ、もう!私もう家に着いたから帰るね!」


私は半ば拗ねて家に入ろうとした。


「葵!」


功太くんに名前を呼ばれて振り返ると、私は功太くんに抱きしめられていた。


「えっ…、ちょっ、どうしたの?功太くん!」


「ん?なんか抱きしめたくなったから…。
よし!じゃあな葵!日曜日まで風邪引くなよ?」


「わっ、分かってるよ!功太くんとの初デートだもん!なにがなんでも行くし…」


「ははっ。絶対来いよ!俺、葵が来るまでずっと待ってるから」

「うん!絶対行く。
じゃあまた明日ね」


「おう!じゃーな」


そう言って功太くんは手をふって帰って行った。


私もそれを見届けると、家の中に入った。