「もー、朝から何イチャついてんのよ」
後ろから声をかけられ、誰かと思えばそこにいたのは結衣だった。
「結衣!久しぶり」
あれから結衣とは会っていなかったから、本当に久しぶりだった。
「ほんとに久しぶりだねー。てか葵顔赤くない?」
結衣に指摘され、私はすごく動揺してしまった。
「そ、そんなこと…ないよ」
「葵?すごい動揺してんじゃん。朝から何があったのよ」
「や、それは…ねぇ」
私がキョロキョロしていると、功太が言った。
「坂下には内緒」
そう言って、私の腕を引っ張って走り出した。
「あー、逃げたなー」
結衣も私たちを追いかけて走ってきた。
なんかいいなって思ったんだ。
青春っていうか。
すっごく楽しくて、自然と頬が緩んだ。