何度でも君を好きになる



「葵さぁ、結構前におばあさんの荷物をもってあげたこと覚えてる?」


おばあさんの荷物を持った?


あっ!思い出した。


あんまりにも重そうな荷物だなって思って。


でも何で和也がその事を?


「葵はさ、自分は小さくてひょろひょろしてるくせに、自分より大きくて重そうな荷物持ってるから最初はバカだなって思ったんだよ。でも、フラフラしながら持ってる葵見てたらほっとけなくなった。俺が荷物を持ってやったら、葵さ、綺麗に笑ったんだよ。眩しいくらいに。無邪気に」


もしかして、あのとき私が持ってた荷物を持ってくれたのって、和也だったの?

あの時、駅まで一緒に行って別れたあとに名前聞いてなかったなって思って、どっかで会うかなって思ったけど、結局会えなくて。


まさかそれが和也だったなんて。


「あのときさ、俺は葵の名前を聞いたのに俺の名前言ってなかったなって思って。だけど葵は俺のこと覚えてなくて、まあ当然かなって思って無理やり名前を呼び捨てにさせたりして。必死だったんだよ。葵の気を引くために」



そんなことずっと覚えてたなんて知らなくて、そんな時からわたしの事を好きだったなんて。


「そんときからかな。葵の事を好きだったのは」


でもいつ会えるかなんて分からなかったのに、もしかしたら一生会えなかったかもしれないのに?


和也の想いを知って、たぶんこの人を傷付けちゃためだなって思って。


私は退院するまで笑顔でいようって思った。


和也が私を好きになったきっかけの無邪気な笑顔で。

自然に笑っていようって。