たぶんこの調子だと、私が昨日功太くんと付き合ったことを知らないのだろう。


これははっきり言うべき?


せっかく私に告白してくれたのに?私が曖昧な態度をとったせいで期待をさせてしまったかもしれないのに?

きっと今言わなかったら後悔するかもしれない。


和也の時間を無駄にしてしまうかもしれない。


早く私の事なんか忘れてもらって、新しい恋をしてもらうためには言うべきなのかもしれない。


私は言う事に決めた。


「和也…。昨日ね、和也が出ていった後に元彼が来たの。それでね、素直な気持ちをぶつけられて、ずっと好きだった人で私は今でも好きだったからすごく嬉しくて。だからもう一度付き合う事になったの。彼ももうはなさないって言ってくれて。だからごめんね?せっかく告白してくれたのに。曖昧な態度をとって」



全部言うと和也は呆然な顔をしていた。


そのあとに自嘲気味に笑って顔を下げた。


「なんだ…。うまくいったのか。良かったな葵」


そう言った後に和也はこう言った。


「葵…。もう戻れよ。そこにいると日焼けするぞ」


そう言われればさっきから暑いし…。


ここにいるのも気まずかったため、お言葉に甘えて帰る事にした。


「じゃあ…。私は帰るけど和也もすぐに帰って来てね?看護士さんにも言っとくから」


そう言って私は屋上を後にした。