途方もなく どうしようもなく

死の大地は続く。
どこから 何処までがタナトスなのか

それはもはや 答える必要もないほどに 分かりやすい。

世界には地名があって 当然。
そう 一+一がニのように
不思議と 昔からあるかのように その場所には名前がある。
その地所縁の《ゆかり》の名前と言うものが。

しかし。 もう見る影もない。 見てられないほどになってしまったら
人はもうその場所を その名前で呼ぶことは
無くなって行く。
そして 気が付けば 一括り《ひとくくり》に
人々はタナトスと呼ぶ。

少年が どれ程の距離を進んだのか

どれ程の距離を歩んだのか。

その足跡は砂に巻かれて消えてゆく。

気づかれないまま消えてゆく。

それでも少年は振り返る事はせず。

自分の目的の為に進み歩く

何箇所も何箇所も 今にも無くなりそうな 亡くなりそうな 街に足を運び

また次の場所へと向かう。

地図すら持たない コンパスすらない。

それでも 少年は街へと辿り着く。
街へと行き着く。

疲れた、顔すら見せず ただ人の為に
人としての大事な思いを伝えながら。