大都市《エウプラーギアー》歩いて6時間ほど。
少年は小さな 今はもはや名前すらない小さな村に居た。

これまで 運が良く 誰にも命を狙われることもなく 強奪にも会うことなく 出逢ったのは あの老人だけ。

村の中は タナトスと変わらないほど荒んでいて
砂ほこりが舞う、 村のあちらこちらで
壁に寄りかかり 咳き込む人々。

神が見捨てたと言われる日から 日が経つにつれ 免疫すら低下し 子供すら作れないでいるのが現実。

それを目の当たりにし。改めて確信せざるおえないのが
壁に寄りかかるほとんどの人は
とうてい若いと言えないほど年老いていた。

少年は見るにかねないその姿。姿に
足を運び 1人。また1人と
自前の固いパンと少し濁った水を 分け与えていった。

若い人々は皆 食料を求めエウプラーギアーに向かったのか
村に居るのは 20人程だった。

1人の老婆が 少年に咳き込みながらも話を掛けてきた。

《すまないね。。 食料まで貰ってしまって。
こんな後がない老人達に。。
久々だよ。優しいくしてもらえたのわ。本当にありがとう。》

老婆は少年の優しいしに
目から一滴の雫を流した。

少年は老婆の手を握り

《いいえ。優しさを忘れては 大事なものを失います。僕は それを忘れたくはないからやっているだけです。気にしないでください》

少年は老婆の目をしっかり見つめ
そして最後に小さく神のご加護をと呟いた。

そんな 三日月が照らす薄暗い村は静かに朝が来るのを待った。

そして少年は皆が眠っている中 1人 村に一礼をして 背を向け
まだ陽が浅いタナトスに足をふみ入れる。

そんな少年の表情はなぜか寂しげな顔をしていた。