死の大地タナトス。

由縁は 見た目だけではなく
もっと掘り下げた所にもある、

それは何か。 悩む必要もなく それは夜に響く断末魔が教えてくれる。

魍魎。妖怪。怪物。化物。


そんなものが存在するわけもなく
その正体はいたって単純《人間》だ。

食料もなく 生きる事で理性を失ったもの。

それら全てを奪う者《アファルパゾー》と呼ぶ。

彼らも 人は人だ。 けれど 既に死んでいると言っても過言ではない。

人としての生を感じられないからだ。

人を殺めれば 人は目が暗く 深く濁って淀む。
彼らの目はもはやそれでしかない。

何故殺すのか それは動物が狩をするといえばわかるだろう。

ただこれは こればかりは 人が人を狩るという事になる。

《アファルパゾー》は夜に活発に行動し
移住民を狙う

少年もそれは百も承知。
それだけの決意が。覚悟があったのだろう。

少年は日も高い内に足早に 歩き始めた。

目的地はあるのか いやあるのだろう

少年が目指す先に何があるのか それは誰にもわからない