少年が次に歩き辿り着いた場所。

それは エルピスの塔と呼ばれる場所。

《塔》と呼ぶからには 高い建物かと思えば
それも違う。

その目の前にあるのは
木板に穴が開き。
屋根の少しが落ちかけた オンボロの教会。

それなのに。何故《塔》となずけたのかな。
それは辺りを見渡せば
分かる。 そう 周りに建物と言うものが見当たらないからだ。
そうなれば 自然と 1番高く見える。
故に《塔》と名付けたのだろう。

人とから数えて何日めか。
神から数えて何日めか。 少年はそこに辿り着いた。

ココに人々は何をしに来るのか。
自らの罪を償いに来るのか。
神々に見捨てないで欲しいと願っているのか。

それは
少年が1人の男性と会う事で繋がってくる。

三段ぐらいの木製の低い階段を上がる。

歩くたびに振動で上から土ぼこりが降ってくるぐらい古びた教会

その祭壇の真ん中にいる男性

少年に気がつくと 話すのをやめ 外に出てきた。

《久しぶりじゃないかテロス。 元気そうでなによりだ。》

《そっちも元気そうじゃないか。カロカルゾス。》

男性の名はカロカルゾス。
少年とは真逆の年老いたおじいさんみたいな印象を受ける。

白い髭を伸ばすだけ伸ばし

いや それが 教会での貫禄を作り出しているのかもしれない。

背は少年と同じぐらいなのが いささか違和感に感じる。

そして 少年はいつかの、あの日と同じような言葉を発する

《カロカルゾスはまだこんなことやっているのか?》

《まだ?テロス。君には言われたくないな。
それに これは自分が、決めたこと。今更変える気はさらさらないさ》
カロカルゾスは
ガハハハと笑いながら 少年の肩を叩いた。

口では。声では。音では。笑ったように見えても。聞こえても。感じれても。

目は。 目の奥にある瞳は 今にも泣き出しそうな感じだった。

少年は 珍しく 彼 カロカルゾスと共に一夜を過ごす。