強引な彼との社内恋愛事情


行った場所は駅前の居酒屋だった。


急にも関わらず、私を含めて七人集まったのが不思議だった。

今日の話題の中心は田原さんの新婚生活について。
子供は3人欲しいとか、男だったらサッカーさせたいとか。
そんな未来設計図を見せられる度、本当に手が届かないんだって実感してた。


金子さんは「いいな。私も早く結婚したーい」と、羨ましそうな声をあげた。周りにいる女の子だって右に習え状態で同じような相槌を打つ。

「遠山さんもそう思いますよね?」と、なにも言わない私に気を遣って会話を振るけど。


いやいやいや。
勝手に一緒にしないでくれたまえ。


「私は全然、結婚願望ないな」


「あ。そうですよね。遠山さんって、バリバリの仕事人間って感じですもんね」

あ。
笑顔を引きつらせてしまった。


「えっ。千花さん。結婚願望ないんですか?」


そう言ったのは、広重。


「広重は結婚願望ありそうだよね」


「俺はありますよ。結婚したいです」


私の目を見て言うから、プロポーズされてるみたい。
そう感じているのが恥ずかしくなった。