強引な彼との社内恋愛事情


カシャッ。


「あっ……。フリーズした」


目があうと「やっぱり設定条件は、千花さんの怒り顔ですね」と、広重が言うから、さすがにぷっと笑ってしまった。


と、いけない。


「ありがとう。とりあえずこれで設計に報告してみる。できるだけ新しいログが欲しかったから助かった」


「はい」


と、スマートフォンを私に手渡す広重。指先が触れないように気をつけて受け取って、パソコンに繋いだ。


カタカタとキーを押し、見ない様にする。


「千花さん、今日夜ご飯どうするつもりでした?」


「コンビニ」


「一緒にどうですか?」


「遅くなるから」


「俺ももう少し仕事してから帰るつもりですよ」


「今日はひとりで食べたいから。ていうか仕事残ってるならフロア戻ったら?」


強く言うと「わかりました」と、腰をあげた。