千草玲斗の話しを聞いて、 俺は見澤萌絵を探すために家を飛び出した。 『彼女はああやって強がったりしてるけど、本当はとても弱いんだ。 ……あの子はずっとそうだった。 人前では決して弱音を吐かずに、 涙も見せないんだよ。 それが、家族であっても』 「暑い……」 だいぶ日は沈んできたが、それでもやはり暑いものは暑い。 早足で辺りを見渡しながら、足を進める。