「ん?……ああ、別にいいけど」 今までと違う雰囲気の千草玲斗に違和感を感じながら俺はひとつ頷いた。 「萌絵は、きっと自分自身を見て欲しいんだと僕は思うんだ」 「自分自身を?」 そう、と言うと千草玲斗はぽつりと言葉をこぼした。 「萌絵は、僕の家の近所の子でさ」 そして、まるであの時を振り返るかのように、そっと目を閉じて優しく微笑んだ。 「僕たちはよく一緒に遊んだりしたよ」