「……っまた、会いに来いよ」


涙が出るのを必死でこらえる。

すると玲斗は爽やかな笑顔で深く頷いた。


「さよなら――――2人とも」


そう言って玲斗は紫色の空へと消えていった。


「玲斗くん……玲斗くん……っ」

「萌絵……泣くなよ」


玲斗が渡した透明な丸いもの。

あれは玲斗の魂。

本来なら己の魂を他の幽霊に渡すことは禁忌とされている。

それを飲んだ幽霊は、その持ち主の魂ごと吸収し、人間として生き延びることができる。

しかしその代わり、魂の持ち主は消えてなくなってしまう。



それを、玲斗は萌絵にやったのだ。


「ばか玲斗……でも、ありがとな」