この俺が幽霊に恋をした!?


「どこに行こうとしてんだよ」


萌絵が一瞬、ぴくりと身じろぎをしたのが服越しに伝わってくる。

幽霊化してきてるため、はっきりとは感じ取れないが、それでも微かには感じとれるんだ。


「どこ、なんて……ないわよ、そんなもの」


俺の背中に手を回すことなく、彼女はそう答えた。

「それじゃあ、ずっと俺んちにいろよ」


ああ……なんで俺はいつもこんな言い方しかできないんだろうか。

『離れたくない』って、たったひとこと言えばいいだけじゃないか。


「――それは無理」


萌絵は静かに呟いた。


無理?

なんで無理なんだよ。


「なんでだよ……」