「生気吸ってないのかよ……?」
幽霊が生身の人間の体を保つには、異性の生気を吸うこと。
もしも、長時間 生気を吸わなければ元の、
ただの幽霊に戻ってしまうのだ。
それを知っているはずなのに……なぜ?
萌絵は弱々しく微笑んだ。
「もう、いいんだ」
そして彼女は自身の両手を擦り合わせ、
月光に照らしてみる。
「元はと言えば既に死んでるんだし。
それに――ここには長く居すぎてしまった」
だからもういいんだ、と再び呟いた彼女の表情は何とも言えないような表情をしていた。
「真琴」
見たことのないくらいの、真剣な表情で俺の名前を呼ぶ。
嫌だ……聞きたくない。
俺の脳が、話を聞くことを拒否している。


