「なぁ。本当に浮けるのか……?」
疑わしげな眼差しを向けてくる彼女の頭に手を伸ばすと、そのままわしゃわしゃと撫でる。
「安心しろ、浮けるから」
「そうか……って、なぜ頭を撫でるんだ!
乱れるだろう!?」
「っはは。犬みてぇ」
「う、うるさい!」
水を思い切り顔にかけられる。
「うっへぇ……しょっぱ……。
後で覚えとけよー吉原 」
「断る!忘れてやる!」
思い切りじゃれ合った後で、再び練習へと戻る。
最初はビクビクしていた吉原だが、水面に体を浮かべるのにそう時間はかからなかった。
「次はバタ足の仕方だな」
「バタ足くらいなら私もできるぞ」
「そうか?ちょっとやってみて」
吉原は俺の腕を掴んだままバタ足をしてみせる。
そして どうだ! と言わんばかりに微笑んでみせる。
「うん、不合格」
「なぜだ!?」
納得がいかないという風に口を尖らせて眉根を寄せた吉原。


