「でもお前、恥ずかしいって」
「それは違うよね、吉原さん。
大丈夫、僕はちゃんと分かってるから」
玲斗が吉原に向かって軽くウインクをすると、吉原はぱっと目を逸らした。
「う、うん……だから来栖、私に」
「真琴ーっ、玲斗くん!いつまでそこにいるのーっ、早く来なさいよ~!」
海に浸かったまま、萌絵が楽しそうに大きく手を振ってくる。
その笑顔はとびきり綺麗で、今までよりも可愛く感じた。
「おー、今行く」
吉原はほんの少し眉を下げて「私もいるんだけどなぁ~」って呟いてる。
「ほら行こうぜ」
しょんぼりしてる吉原の手を掴んでぐいっと引っ張ると、その反動のまま大人しくついてくる。
「キツい時は言えよ?休憩すっから」
「あ、ああ……よろしく頼む」
こうして俺と吉原の真夏の水泳教室が始まった。


