真剣な眼差しで問いかけてくる萌絵に、俺は笑いながら右手を左右に振る。
「ナイナイ!それは絶対ないから!」
ウケるー、と言うと萌絵は眉を下げて―……
「いった!」
……俺の二の腕を思い切り抓った。
いや、これは冗談抜きで痛い。
くっきりはっきり爪痕ついてるし。
ほんの少し涙目になりながら抓られた腕をさする。
そしてそのまま歩みを止めると、くるりと後ろを振り返る。
「隠れてないで出てこいよ、玲斗」
「えへへー、やっぱバレちゃった?」
建物の陰からひょっこり顔を出した玲斗はイタズラっ子のように舌を出して頭を掻いた。
「当たり前だろ」
「なーんだー、つまんないのー。
今日は《体》があるから真琴くんにはバレないと思ったのになぁ」


