「さぁな」
さらりと言うと吉原は眉を下げて「もういい」と体育座りしたまま膝に頭を埋めてしまった。
というか、そこのお嬢さんよ。
なんか色々と危ないんじゃないか?
あー……ほら、気づいた男どもがチラチラこっち見てる。
「―チッ」
俺の小さい舌打ちが聞こえたのか、吉原がぴくりと反応して一瞬だけこちらを見た。
「おい吉原」
鞄の中から半袖のスウェットを取り出すと
それを吉原の方へ向かってぽいっと軽く投げる。
「来栖―……これ、なんだ?」
俺の投げたスウェットを手に持ったまま首を傾げている彼女。
「スウェット。
あ、まだ使ってない新しいやつだから」
「スウェット……?これを私に渡して、
一体どうしろというんだ?」
「まぁ……足にでも掛けとけ」


