「とにかく。吉原は心配すんな」
「……わかった」
デコピンされた額を押さえたまま、少しだけ唇を尖らせる。
「おいおい真琴ー、こんな所で堂々といちゃつくなよー」
灯がニヤニヤしながら俺に向かって言うと、それに続いて男子が騒ぎ出す。
「そうだぞー、見せつけんなー!」
「なになに? お前ら付き合ってんの?」
「イケメンなんて爆発しろーっ」
「うるせぇ、そんなんじゃねーよ」
教室のあちこちから飛んでくる野次に呆れながら、ちらりと吉原を見ると彼女は酸素を求める金魚のように、真っ赤な顔で口をぱくぱくしていた。
「え、と……吉原?」


