そこでぴたりと止まった。 そして次いで彼女の小さな呟きが柔らかな風に乗って運ばれてくる。 「……愛してるって言ってよ」 「大好きだったよって、言ってよ」 「嘘でもいいから。ねぇお願い…… お父さん、お母さん」 それは神様への祈りのようで。 彼女の心の悲鳴のようで。 彼女の―……萌絵の声は微かに震えていた。 もしかして泣いてるのか? 俺と千草玲斗は、ただただ それを見ていることしかできなかった。