「おい。萌、」 『萌絵』 そう呼ぼうとして俺は口を閉じた。 「どうしたの真琴くん」 それを不思議に思ったのか、千草玲斗が首を傾げる。 「いや……あいつ、なんか言ってる」 俺と千草玲斗は耳を澄ます。 風の流れに乗って耳に入ってきたのは 聞いたことのない、歌らしきもの。