床を指差すと母さんは何も持っていない左手を頬に添えてニコッと微笑んだ。 「あらやだ、布巾で拭かなくちゃね」 「あらやだじゃねーよ、ったく」 ほんと、手のかかる親だぜ。 もうどっちが親なのかさえも分からなくなりそうだ。 鼻歌を歌いながら布巾で床を拭いていた母さんが立ち上がると、おれの背中を凝視して顔を強ばらせた。 「真琴、その子……だぁれ?」 「いやいや今更かよ!? あー……なんつーか……」