さらりとそう言葉をかけると、萌絵は僅かに身じろぎをして、俺の背中に頬をつけた 「いや。疲れるし、足痛くなるもん」 「ったく、とんだ我が儘なお嬢様だな」 今回だけだからなー、と声をかけながら歩いていく。 「うん。今回だけにしといてあげる。 ……ねぇ、来栖真琴」 彼女は、ふいに静かな声で俺を呼んだ。 「なんだ?」