「んなこと言わねぇよ」 「チキン? ヘタレ?」 背中からからかうような声が聞こえてくる。 「ばーか。違ぇし」 「でも言えないってことはさ……」 「それよか、さっさと帰るぞ萌絵」 言葉を遮って早足で歩く。 「なによ、歩いてるのアンタなんだからね。 ほら急ぎなさいよ」 「自分で歩いてもいいんだぞ」