『起きてた?』
久しぶりに聞くユキナリの優しい声。
あまり会えないだけじゃなく、
連絡はメールばっかりで、
電話も少なくなっていた。
「さっき帰って、そろそろ寝ようと思ってたとこだょ」
『そっか、ごめんな遅くに』
「全然、嬉しいよ」
軽く答えたあたしの返事がイヤミっぽく聞こえたのか、
ユキナリは焦って言った。
『ごめんな、しばらくほったらかしになっちゃって』
「…」
あたしがリュウと一緒にいる間も、
ユキナリはあたしの事を考えてくれてたんだ。
仕事忙しくて疲れてるのに、
あたしを気遣ってくれてた。
ユキナリの優しさになにも言えないでいると、
ユキナリはあたしが拗ねてると思ったみたいだった。
『もう少ししたら今の仕事も落ち着くし、ゆっくり会えるから』
『寂しい思いさせてごめんな』
その一言が、
胸に刺さった。
