HELLO GOOD BYE

息を切らしてリュウのところに着いた時にはもう電話してから15分位たっていた。

もしかしてもういないかも知れない−


そう思いながら自動販売機の前を見ると、
リュウが座っていた。


酔って疲れてるのに。
暑いのに。

待っててくれた。

それだけで嬉しくなってしまう。



「お待たせ」

「おう」



走って荒くなった呼吸を整えてると、
「そんなに急がなくてもよかったのに」

と、リュウが私の背中をポンポンと叩いた。


堪らなくなってリュウの手をそっと握った。

「タクシーの中で言いかけたことなんだけど…」

「ん?何か言ってたっけ」

「私…リュウのコト好きなんだ」

自分でもびっくりするくらいはっきり言えた。
思ってるよりもまだ酔ってるのかもしれない。


リュウは黙って歩き出した。

多分すごく困らせてしまってる。

でも、私が握った手は
まだ繋がれたまま。


私も続いて歩き出す。


「急にゴメン。困らせるつもりはなかったんだけど…
リュウに何かしてほしいわけでもないし。
ただ二人になるコトなんかそうないし、どうしても言いたくなっちゃって…
サークルで、初めて会った時からずっといいなって思ってて」

何か言われるのが怖くて、一気にまくし立てた。