ウソ恋




彼女はもう 翔太のことを名前では呼ばなかった。


新奈さんは2人に支えられ立ち上がった。


顔を俯かせ表情は見えないけれど 嗚咽が聞こえるからきっとまだ涙が流れているんだろうね。



「お昼…学校裏…」



その小さな声は美玲さんのもの。


新奈さんを支えながら 私の横を通る時にボソッと伝えられた。


そこで何をされるのかなんて分からない。


でも行かないとあとあと面倒くさくなりそうだよね。


仕方ない。


嫌でも行かないと。