ウソ恋




大嫌い 大嫌い 嫌い嫌い嫌い嫌い !!!!!!


居なくなれば良いのに。


うちの全部を奪った王子なんて死ねばいい。


うちに向けられるはずだった愛を 皆の尊敬の眼差しを 一流大学への推薦を うちの心を――…



「…ごめんね…」



彼女の手首を傷付けるたびにそう小さく呟いていた。


怯えていたのは うちの方だったんだ。


彼女へ吐く暴言は全部王子への暴言。


彼女へ向けられる刃物は王子へと向けたかったもの。


うちは彼女を王子の身代わりにしてたんだ。