ウソ恋




驚きで目が見開く。


翔太の口が私のうるさい口を止めている。


少しして離れた口が開き言葉を発する。



「お願い 俺の話を聞いて」



そういった翔太の顔がやけに真剣で 私は反射的に頷いていた。



「高校を入学したての頃。

白い傷だらけの猫。

駅前。車。ハンカチ」



「…え?それって…」



「俺 言ったよね。

ドーナツ屋さんで 俺は君の知らない間に
君に一目惚れしたんだって。

それは美咲さんにじゃなくて
優美に言ってた言葉なんだよ」