冷たくなる手に力を込めて温める。


私の体温を奪っていいから 美咲の冷えた手を暖かくしてあげて…!


私にほほ笑みを浮かべた美咲を安心させたくて 私も精一杯笑顔を向ける。


そんなとき 病室の外から廊下を駆けてくる複数の足跡が聞こえた。



「先生こっちです !! 」



翔太と共に中に入ってきたお医者さん。


良かった…。


これでもう大丈夫だよ。


ホッと安堵した私は美咲に向き直った。