ウソ恋




拒否なんてしないでしょ?


だって好きな子の頼みだもの。



「……分かった」



「ありがとう」



席から立ち上がった新城くんと共に教室の扉に行く。



「…王子の次は新城かよ」



「やっぱり男狙いだったんだ。

神山さんって良い子そうなのに…」



「見た目に騙されちゃ
ダメってことだよ」



コソコソと話す陰口は私の頭にすんなりと入っていく。


今のうちにたくさん言っておいてよ。


もう戻らないから。