私の名を呼ぶ声が聞こえた。


振り返らない…振り返れない…。


扉が 閉まる音がした。



『…… !!

…――……っ !!!! 』



扉越しに伝わる感情。


幸い私の走り込んだ電車内には人がいなかった。


時間が時間のせいかもしれない。


この電車に乗る人は普段でもあまりいないから。



「…ごめんなさい…ごめんなさい……」



走り出した電車の中でしゃがみこみ 誰に言うでもなく私はひたすら謝罪し続けた。