零太くんにはすっかり嫌われちゃったか。 その方が気楽で良い…。 零太くんは翔太の事が大好きみたいだし 私に取られて悲しいとか心配とかで どうしても私を好きになれないんだろう。 弟の意地ってものもあるのかもしれない。 「――…そろそろ行こうか。 あんまり遅いと危ないしね」 「そうだね。 それじゃあまた…」 最後に一礼だけして翔太と並んで歩き出す。 後ろから真希さんの声が聞こえ 私は振り返り手を振った。 そしたらニッコリ微笑んでくれる真希さんに嬉しさを覚えてしまう。