ウソ恋




サラサラの髪を耳の位置でツインテールにむすび 笑うたびに八重歯が覗いている。


3人は私に何のお構いも無く話をし続ける。


ただ聞かせたいだけみたいで 相槌の必要は求められていないように思える。


どうしてこんな人達が笑っているの?


どうして美咲だけが辛い思いをしないといけないの?


そんなのズルイ。


高まった感情に後押しされ 彼女たちを押し倒し殴りたくなる衝動に駆られ 拳を痛いほど握り締める。


――…ダメ そんなの。


第一私にそんな勇気があるわけ無い。


美咲の復讐をしたくてここに来たけれど 私は誰かを傷付けるなんてこと出来ない。