モブ女1「冬馬君って、ほんとかっこいいよね〜♡」
モブ女2「うんうん！私なんてスポドリ受け取ってくれたんだよ〜」
冬馬ってそんなに人気なんだ。
モブ女3「だけどさー、四ノ宮先輩もかっこいいよね〜♡爽やかだし！」
モブ女4「それなら、泉先輩もだよね！ONとOffの差があって！ギャップ萌え♡」
凄いはしゃいでるなー。まぁ、確かにバスケ部はイケメンが集まってるって噂されるぐらいだしなー。そんな彼女達を横目で見ながら片付けをしていた。

片付けを終え、ひと段落ついた時、ふとさっきの桜が気になった。
（さっきの男の子…なんであんな顔していたんだろう…。）
さっきの桜を見るため、外に出た。

さっきよりも、近くで桜を見た。
遠目からでは分からなかったけど、近くで見るととても大きな桜の木だった。
遠目からでは分からなかったけど、近くで見るととても大きな桜の木だった。桜の木に触れた。とてもゴツゴツしていた。少し木の辺りを見ていたら、ふと木にあった傷が視界に入った。そこには、
『愛しています』
そう、彫られていた。そして、その近くに二つの指輪が枝に上手にかけられていた。さっきの男の子はこれを見ていたんだ。これを見て、あんな悲しそうな顔をしていたのかな。
（この、桜の木は誰かの大好きって想いがつまってるんだ。）
木におでこをくっつけ目を閉じた。耳に入ってくるのは、風の音だけ。
しばらくそうしていると、
？「…何しているんですか。」
後ろから優しい声が聞こえた。後ろを振り向くと、さっきの男の子が立っていた。その男の子は私に一歩ずつ近づいてきて、手を伸ばしてきた。反射的にギュッと目を瞑ってしまった。
？「…クスッ、とれましたよ。桜の花びら。」
その笑顔にドキッとした。近くで見るとすごく美少年だった。息をするのも忘れそうになるくらい、ドキドキしていた。微かだけどコロンのようないい香りがした。
（男の子でもコロンなんかつけるんだ…。）