モブ女1「冬馬く〜ん♡お疲れ様！」
モブ女2「はいっ！スポドリとタオルね！」
モブ女3「次の練習も頑張ってね！！」
他のマネージャーの子達に囲まれている。皆引いてるし。
ノエル「相変わらずだな。お前の所の兄弟は。」
苦笑いしながら冬馬を見ていた。
「…うーん。何がカッコいいのか私には分からないけど…。」
私も苦笑いしていた。
「はぁ、ちょっと外に出るよ。ノエルはどうする？」
ノエル「んー、じゃあ、俺も行こうかなー気分転換に。」
私は、ノエルと一緒に体育館を出た。

外では、サッカー部が練習をしていた。時々風が吹いて心地よかった。このまま時間が止まっちゃえばいいのに。そんな風にさえ思った。風が吹いた時、桜の花びらがヒラヒラと舞い落ちていた。
ノエル「…まだ、桜が咲いてるんだ。」
ノエルは、呟きながら桜を見ていた。
私も桜を見た。そこには、私より身長が高い男の子が立っていた。カメラを向けているから桜を撮っているんだと思った。でも、何故か男の子はその綺麗な桜を前にして悲しそうな目をしていた。何故だかは分からないけど、私は見入ってしまった。男の子は、こちらに気づいたのか、一礼をして去っていった。
ノエル「…ソロソロ戻るか。」
私は、ずっとさっきの男の子の顔が頭から離れないでいた。何故か、あの時の尚と同じような顔に見えた。
「…うん。」
部活中もさっきの男の子の事ばかり考えていた。
『はーい。今日の部活終了ー。マネージャー達は片付けよろしくね。』
私は、片付けをはじめた。