学校では、夏樹は女癖が悪いという噂が流れるようになった。
夏樹は別に何とも思ってないようだ。
たかが、噂なんだから。
事実だということはないんだからさ。
と、言っていた。

あの件があって以来、3年生は全員退部したらしい。夏樹にとっては好都合だろう。
夏樹「…くくっ」
笑っていた。
次第に俺は、夏樹と距離を置くようになっていた。どう、接していいのかわからなくなってしまったからだ。
女たらしだって噂が流れたのは、夏樹が流したのではと疑う様にまでなってしまった。
俺は、仕事が忙しくなったかバスケ部をやめた。
少し気は楽になっていた。
3年生になって夏樹を見た時は驚いた。
夏樹はかなり変わっていた。周りには女子ばかりが集まっていて、つるんでいる男たちもヤンキーのようなヤツばかりになっていた。
その中でもリーダーのような存在。
皆がペコペコしてしまうなども聞くことがある。
先生の前では、猫をかぶっているので何も言われない。
むしろ好印象でしかないから。
影ではタバコはしているし、ピアスはしているし、女遊びは更に激しくなっていた。
俺は、夏樹に近づくことさえ怖くなってしまった。
ノエルたちとの試合は最高に興奮したと、夏樹は言っていた。
追い詰めるのが楽しくて仕方がない。と笑いながら言っていた。
俺は、夏樹の事を言うことにしたんだ。1番伝えたかったのは、秋を夏樹に近づけるなということ。
彼女だけは、巻き込むわけにはいかない。
守らなければいけないんだ。
俺は彼女の近くにいる訳ではないから、ノエルにお願いするしかないんだ。
『秋が泣くところなんて、見たくない』