次の日俺は、夏樹に会うのが少し怖かった。
だけど、夏樹は昨日のことなんか無かったかのように笑顔だった。
夏樹「昨日、撮影どうだった?上手くいった?」
「いやー、微妙。笑えてる筈なんだけど1人だけ俺がちゃんと笑えてないって言う子がいてさー。その子の名前が__」
夏樹「葵 秋。」
夏樹が名前を呟いた。
「えっ!あー、その子。てか、何で名前知ってるの?」
夏樹「さぁー、何でだと思う?」
ニコッと夏樹は笑った。
「好きな人とか?」
ありえないけど、言ってみた。
夏樹「まぁ、それに近いって言ったら近いかなー(笑)」
俺は、驚きでしかなかった。
昨日のことを見てしまったから、あの子を夏樹に会わしてはいけないと。本能的にそう、思っていた。
夏樹「あー、そうだ。今日、ストバス行かない?」
「…えっ、あー、いいよ。」

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遅い。何してるんだ。先に始めておこう。
少ししてると、夏樹がきた。
知らない子もいるが、さっき覗いていたから誘ったらしい。
ノエルという名前を聞いた時、夏樹は目つきが変わった。あの時のように。
そうして、2人で勝負をし始めた。
どれだけ時間が経っただろうか。しばらくすると、見知った女の子が立っていた。秋だ。俺は、秋の方へいった。
少しでも夏樹に近づけさせないように。
秋「正人くん。」
「秋ちゃん。こんな遅くにどうしたの?」
秋「ノエルを迎えにきたんだよ。」
他愛もない会話。幼馴染みであるノエルを迎えにきたらしい。
チラッと夏樹の方を見ると、秋を睨んでいるように見えた。憎たらしい女。という目をしている。
夏樹たちは勝負をやめ、県大会で会おうと言っていた。
夏樹はそう言うと帰っていった。
俺は夏樹を追いかけ、2人と分かれた。
帰っている時夏樹は
夏樹「…やっと…見つけた。」
と、あの時の様に笑いながら。俺なんか眼中にないんだろう。