本当の恋を… 〜僕等の恋愛事情〜

1年でバスケ部に入部したのは11人もいた。
(結構多いなー。)
練習は、ランニングから始まった。1年の間はあまりコートに入らせてくれない…。汐留中は何処も部活は強くない。だからレギュラーも3年生から引き抜かれることが多い。練習を見ていても手を抜いている人が多くて、たまにサボっている人もいる。1年は遅いだの、早くやれだの。そんなことばかり言っている。

6月に入った時、俺達1年はやっと練習に混ぜてもらえることになった。
3年生からの提案で、一年生と三年生で勝負しようと言い出した。丁度顧問の先生がいなかったからいいだしたんだろう。結局勝負することになった。先輩に指名されたものが試合にでるということになった。夏樹と俺は指名されたので試合をすることになった。
夏樹「…いつも練習サボってる人たちには負けないよ。」
夏樹は俺にだけ聞こえる声の大きさでいった。
「あぁ、絶対に負けない。一泡吹かせてやろーぜ。」
俺達は顔を見合わせてコートに入った。

指名されたのがほとんどミニバスをやっていた人たちばかりだったので、俺たちの方が得点はリードしていた。ほとんど夏樹が点をきめていた。三年生の人達はまさか、俺たちがここまでやるとは思わなかったのか焦っているようだった。
三年生の副キャプテンとキャプテンが何か話をしていた。俺は全く気にもとめなかった。2人は、夏樹のマークに入っていた。夏樹なら大丈夫だと皆が確信したのでそのまま攻め続けたが、
夏樹「うわぁぁぁぁぁぁーー!!」
夏樹が突然叫んだのだ。夏樹はその場に倒れこむように足を抑えていた。1年の皆は夏樹に駆け寄ったが、三年、二年はこっちに近づこうとすらしなかった…。