正人side

俺が夏樹と出会ったのは小学四年の時の夏。丁度5年前だった。モデルの仕事が入りロサンゼルスに行くことになったのがきっかけなんだ。撮影が思っていたより早くに終わり、暇だったから色んなところを見て回ることにしたんだ。俺1人じゃなかったけど。見ていた時に俺は、ふとあるものに目に入った。ストバスコートだ。俺は、スタッフさんの人にストバスに少しいってくると言ってスタッフさんと別れたんだ。近くに行くと一人の男の子がバスケをしていた。それが夏樹だったんだ。当時あいつの名前は、

『向井 夏樹』
だったんだ。夏樹は俺をバスケをやろうと誘ってきてくれたんだ。勿論OKした。夏樹はメチャクチャ強くて全然勝てなかったけど、すごく楽しかったのを覚えてる。
夏樹「君、強いじゃん。」
「いや、夏樹の方が強いよ。」
俺達は、笑いあい暗くなるまでやっていた。休憩している時に、お互いの話をしたんだ。俺は、家族の話をした。けど、夏樹は、あまりきいている感じではなかった。何処か上の空って感じだった。それに、何処か悲しそうに見えたから俺は話を変えた。
「夏樹って、いくつなんだ?俺10歳なんだけど。」
夏樹「んー、僕も10歳だよ。」
「へー、意外。」
素直な意見が出てしまった。
夏樹「…意外って…。僕は君の方が意外だよ。僕より年下だと思ったよ。」
「いやー、夏樹よりは年上に見えるでしょ!俺の方が背高いし!大人っぽいし。」
夏樹「うわー、自分で大人っぽいとか言っちゃうんだ。」
俺を冷めた目で見てきた。