本当の恋を… 〜僕等の恋愛事情〜

そうこう言ってたら、学校に着いた。
冬馬「んー、着いたー。」
「長かった…。」
伸びをしながら俺はバスをおりた。冬馬もその後におりてきた。
秋「みんなー!」
校門の前には秋がいた。
モブ男「秋ちゃん、ありがとう!」
秋「いいよいいよー。みんなおめでとう!」
秋は笑顔だった。怖いくらいに笑顔だった。
秋「これは、私からのお祝いの品でーす。スポドリとクッキーね。」
秋は、そう言うと一人一人にスポドリとクッキーを渡して行った。
監督「葵さん…。大丈夫だった?」
秋「はい。大丈夫でしたよ。ご心配をおかけいたしました。」
監督と秋が話をしていた。何を話しているのかなんとなく分かった気がした…。
秋「冬馬、お疲れ様。」
冬馬「んー。」
秋は冬馬と話していた。話の途中で俺は秋を呼んだ。
「…秋、ちょっと来て。」
俺は、秋の腕を掴んで体育館の裏に連れていった。
「…」
秋「…何?」
「何か、あったのか…?」
秋は、俯いた。少しの間沈黙だった。
だが、少ししたら秋は口を開き、
秋「…やっぱり、分かっちゃうかー。ノエルには隠し事これからできなくなっちゃうな…。」
秋の傷は、チームメイトによる傷らしい。練習中に、肘が秋の頭に当たり、倒れたと同時に元々痛めていた肩を壊してしまったらしい。
秋「先生が言うには、肩が治っても前みたいに運動が出来ることはまずないんだって…春樹兄が言ってた…から。」
少しずつ声が小さくなっている。秋の方を見ると、下唇を噛んでいた。血が出るほどに。