アメリカからの留学生…。夏樹君が！？
戸惑いを隠すことが出来なくて唖然としていると、
ノエル「…なんで、立花が秋の事を知ってるんだ。」
夏樹「…そんなに心配ですか？あー、僕の性格を知っているから心配なんですね。」
フッと彼は笑った。
冬馬「…いい性格してますもんね。」
夏樹「褒め言葉として受け取っておきますね。彼女とはこの前話したから知っているだけですよ。そんな怖い顔で睨まなくても大丈夫ですよ。手は出してませんから、一応。」
ノエルと、夏樹君が険悪ムードになってしまった。お互い睨んでいるだけなんだけど、なんだか普通の喧嘩よりこわいように感じた…。
由紀「そ、ソロソロ帰りましょう。」
遠慮がちに口を開いていた。少しだけ震えていた。
（…そりゃ、怖いよね…。）
ノエル「…あぁ、そうだな。」
夏樹「まぁ、今週の土曜日楽しみにして待ってますよ。決勝戦の二の舞だけにはならないで下さいよ。」
彼は、意味ありげに笑った。昨日の優しい笑顔ではなく、裏のある笑顔だった。
（決勝戦の時の二の舞って…）
ノエル「…あいつとは、仲良くなりたくない人No.1だな。」
ハァと溜息が漏れていた。
由紀「あの、夏樹さんってあんな性格なんですか？聞いていた話と違ったので。」
ノエルは、頭をかきながら近くの公園に寄ろうっと言い出しベンチに座り込んだ。静寂の中それを破るかのように冬馬が口を開いた。
冬馬「それで、話してくれるんでしょ。さっきの男のこと。」
ノエル「何から、話すかなー。まぁ、順番に話してくか。」

ノエルは、ポツリポツリと夏樹くんの話を始めた。