折れた翼






そして、タオルで髪を拭きながら
お風呂から上がってきた女。

こいつ、ホントありえねぇ…

そんな目で俺は見ていたと思う。



「で、あんた誰?」



「は…?」



そこ?まず、そこなの?

家に連れてきた理由を聞かれると
思っていた俺は拍子抜け。



「誰?」



「と、東上…昴…

ていうか、お前何であんなとこに
いたんだよ…?」


しかも、ずぶ濡れで…



「あ、もしかして…
犯罪に巻き込まれた女だと
思ったりしてる?」



図星…

何も言わず再度問う。



「なんでそんなケロっとしてんだよ」



「だって、何も巻き込まれてないし」



それは気付いてた。

なんとなくこんな雰囲気に
気付かずを得なかったよ?

でも、まず男の家に連れてこられて
なんでこんなオープンなわけ…。



「〜♪ 〜〜♪♪」



鼻歌歌いながら寛ぐ女は
制服の下に着ていた
キャミ一枚に
鞄に入っていたらしき
ハーフパンツのみ。



「…ほんっと、ありえね…」



小さく言葉を溢した俺は
気になっていたことを聞いた。