折れた翼





「今、あの男帰るぞって…
彼氏か なんか??」



「…わかんね」



付き合っている。なんて
そんな甘い雰囲気じゃなかった。

どこか張り詰めたような…
そんな女の雰囲気に
ふと、あの日の電話が過る。



「っ、もしかして」



あの電話を出たときの
雰囲気に、似ているんだ…

帰るぞ、と言った男に
あの日、帰る、と言った女。



「おい、昴?」



湊は声をかけてくるが、
繋がりつつある俺の憶測。



「………」



だけど、そんなこと
俺の勝手な考えに過ぎなくて、

ただ…男に寄り添う女を
見ていることしかできなかった…