「昴…?」
あの夜と変わらない
澄んだ声が聞こえた。
呼び捨てだ、とか
そんなことどうでもよかった。
ただ、あの日から
また会いたい…と
ずっと思っていた。
そんな日は急に訪れた。
「え?昴が探してた女の子って…」
「あ、あぁ」
湊の言葉に俺は本人の目の前なのに
無意識に、そう言っていた。
「?、探してたって、私を?」
首を傾げる女に俺はハッとしたが
時既に遅し、とはこのこと。
「………」
黙り込み考え込みだす女に
湊が何かを聞こうと声を掛けたとき、
「みう?」
「っ、龍樹(たつき)くん…」
みう?
それが女の名前なのか?
でも、この男は…
「なにしてんの?帰るぞ」
「う、うん…」
チラッと龍樹と呼ばれた男を
伺いながら横を歩くミウ。
横を過ぎる瞬間、
男にジロッと睨まれた。
「じゃあね、昴…くん」
男が現れた瞬間
先程より距離を置いた呼び名に
ただ、疑問だけが残った…。
