プールサイドの人物はいきなりプールの中へ飛び込んだ。

キャーという女子の黄色い声がここまで届く。
先生たちが飛んでくる。
一年生はガヤガヤとその光景をただじっと見ていた。
しかしすぐ先生が来て教室に押し戻された。


10分休みの間、初対面だというのにみんなさっきの不思議な光景についてずっと話していた。
私は席でじっとさっきの光景を思い出していた。
「さっきの先輩すごかったねぇ。」

いきなり話しかけられてビクッとなってしまった。
そこにはおんなじ顔をしたふたり組が立っていた。

「あれれ??驚いちゃった??」
首を傾げる女の子、後ろでは男の子がおずおずとした感じでうさぎのぬいぐるみを抱えている。

「アタシ、霧谷 雫(キリタニ シズク)!
よろしくね♡」
ぶりっ子ポーズを決めて自己紹介をしてくる女の子は、おかしな髪の色をしていた。

「あの...その髪の色、地毛?」

エメラルドグリーンを薄くしたような髪の色は地毛というには難しい髪の色だった。

「えー、地毛だよぉ。カワイイでしょっ❣」
「しぃ、普通信じないでしょ。」
「うっさい!!しぃは世界一かわいいんだからっ!水滴(ステキ)は黙っててよ!!」

水滴と呼ばれた男の子はまたおずおずと雫の後ろに隠れてしまった。

「てゆーか!髪の色よりまず自分の名前言いなさいよ!」

「えっ!?あっ...空木 葵です。」

厄介なのに絡まれてしまった。しかもこの子めっちゃ自意識過剰だし。でもたしかに可愛いけど...。
「空木ぃ?珍しい読み方はだね~カラキかと思った。」

「まぁあんまりいないよね。」
あははと乾いた笑顔を見せる。


入学式そうそう面倒なのに絡まれたorz