彼女は歌っていた。
とても小さな声で。
この高い木の上で歌っていたら
きっと下には届かないだろうけど
それは周りから聞いていた
人間味のない冷酷な子供だ、という
姿とはかけ離れた
ひどく人間らしい
ただの子供に見えたのだった。
俺が彼女の隣にとまり
歌に合わせてさえずっていると
「うまいのね」と俺に視線を向けた。
俺は小鳥の姿だったから
きっとミヤは気づかなかっただろうけど
きっとそれが
俺の初恋の瞬間だったんだ。
それからはいつもミヤについて回った。
いつか俺の存在が
ミヤの中で消えないものとなるように。

